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「未来を作曲」- 2025年大阪・関西万博におけるオーストリアの特別プロジェクト 

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シュトラウスのワルツが響く、次世代の日本酒 — オーストリアの匠の芸とともに

オーストリアは2025年大阪・関西万博で、「未来を作曲」をテーマに掲げ、オーストリアが経済、技術、文化の面で世界に多くのものを提供できるということを発信します。国際交流は市場と人々を結びつけ、文化協力は特別な役割を果たします。

日本とオーストリアは、美術から音楽、生活文化から食文化に至るまで、互いを魅了する長い歴史を背景に、素晴らしい友好関係を築いています。日本とオーストリアは、共に「人生の真の豊かさ」を深く理解している国と言えるでしょう。

オーストリア連邦産業院は、この度、日本とオーストリアの文化的な絆を特別なかたちで喜びへ変えるプロジェクトに取り組んでいます。その一環として、2025年大阪・関西万博の機会に、銘酒ブランド「獺祭」を特別に醸造した限定酒が、ヨハン・シュトラウス作曲「入り江のワルツ」の特別編曲版を発酵中に聴かせながら造られました。この楽曲は、「フィルハーモニック・テイスト」プロジェクトの一環として、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーと日本センチュリー交響楽団(指揮:飯森範親)によって、特別に収録されました。

オーストリアのロブマイヤー社による特製グラスや、ウィーン磁器工房アウガルテン特製のシャンパンボウルも、日本酒の味わいをさらに高めてくれることでしょう。

特別限定版「獺祭 未来を作曲」は、今こそ必要とされるメッセージを体現しています。それは、「未来は、共に創造することで最も輝く」ということです。

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映像

メイキング映像では、「獺祭 未来を作曲」の製造工程や、本プロジェクトに参加した音楽家の様子をご覧いただけます。

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音楽

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団は1956年以降、定期的に日本公演を行っています。 今回、オーストリア連邦産業院の依頼をうけ、2007年から同楽団のメンバーであり、「フィルハーモニック・テイスト」プロジェクトの創設者でもあるアンドレアス・グロースバウアー氏が、ヨハン・シュトラウス2世の生誕200年を機に、オーストリアと日本を結ぶ特別な音楽の架け橋を築きました。

彼が選んだ楽曲は、「入り江のワルツ (Op. 411)」で、シュトラウスの中ではあまり知られていないものの、その美しさは格別で、両国が共有する優雅さと豊かな文化を見事に表現しています。本作品には、入り江や水田などの自然との深い結びつき、そして職人技や米・日本酒づくりといった伝統への敬意が込められています。

このワルツは、2025年のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるニューイヤーコンサートのプログラムにも取り上げられ、多くの人々に親しまれました。

この楽曲について、アーノルド・シェーンベルクによる編曲(ピアノ、ハルモニウム、弦楽四重奏)を、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバー6名による特別アンサンブルが、ウィーン国立歌劇場にて収録し、日本では飯森範親による日本センチュリー交響楽団が原曲の演奏を収録しました。 

 その後、オーストリアにて録音エンジニアのゲオルク・ブルディチェク氏が、両国で収録された演奏を一つの楽曲に編集し、オーストリアと日本の解釈による演奏がなめらかに行き来する、まったく新しい「入り江のワルツ」が完成しました。こうして誕生したこの作品は、調和・価値観を共有し、創造的な対話を象徴する、美しく再構築された楽曲となりました。

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日本酒

日本酒は、紀元前3世紀までさかのぼる歴史を持つ、米と麹と水を原料とした日本の伝統的な醗酵飲料です。

旭酒造は「獺祭」ブランドで数々の受賞歴を誇り、世界的な評価を獲得しています。同社では、最高級に分類される「純米大吟醸酒」のみを製造しており、従来の酒造りの枠を超えて、先端技術や科学的データを積極的に取り入れながら、安定した品質を保つとともに、伝統と革新を融合させた新たな酒造りを実現しています。

今回のプロジェクトでは、オーストリアと日本の文化交流の精神を日本酒の味わいにも取り入れるべく、醸造タンクにスピーカーを設置し、ヨハン・シュトラウス2世の「入り江のワルツ」の特別収録音源を、発酵の工程で流しました。音波は繊細な発酵プロセスに影響を及ぼし、その振動は発酵中の液体に作用し、独特な味わいを生み出します。オーストリアと日本、それぞれの音の文化が溶け合い、それが姿を変えて液体になったかのような仕上がりとなりました。

© DASSAI
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特別限定版「獺祭 未来を作曲」は、音楽と日本とオーストリアの絆に捧げる、愛に満ちた表現です。旭酒造株式会社(2025年6月1日より株式会社 獺祭)の代表取締役社長の桜井一宏氏は次のように語っています。「異なる文化が協力し合い、新しい体験や楽しみを生み出せたことは、非常に喜ばしいことです。『未来を作曲』というオーストリアパビリオンのテーマに共鳴し、このユニークなプロジェクトが、日本とオーストリアの絆をさらに深めることにつながればと願っています。」

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共同制作

飲み物の味わいや楽しみ方には、器の素材や形状、美しさが大きく影響します。こうした文化は、オーストリアと日本の双方に深く根付いており、日本においては特に、茶道や日本酒の嗜みに密接に関わっています。

「獺祭 未来を作曲」プロジェクトでは、優れた匠の技と長い伝統を誇るオーストリアの2社、ロブマイヤー社とウィーン磁器工房アウガルテンとの協働が実現しました。両社が手がけた特別なグラスやシャンパンボウルは、日本酒の味わいをこれまでにない次元へと引き上げてくれることでしょう。

ロブマイヤー社は、1823年にヨーゼフ・ロブマイヤーによってウィーンで創業されました。創業まもなくしてハプスブルク家御用達のガラスメーカーとして認められ、以来、歴代のオーナーたちは素材とデザインへの情熱と探究心を持ち続け、時代を超えて愛される数々の名作を生み出してきました。  

今日に至るまで、ロブマイヤーのグラスはすべて手吹きで制作され、その後、手作業でカット、彫刻、研磨が施されます。日本では、東京の表参道に自社サロンを展開しています。 

1873年のウィーン万国博覧会では、バロック様式のシャンデリア「マリア・テレジア」を発表。また、アール・デコの出発点ともされる1925年の現代産業装飾芸術国際博覧会にも出展し、先駆的な存在として注目を集めました。 

2025年大阪・関西万博では、シャンデリア「マリア・テレジア」と、フェリーチェ・リックス(上野リチ)へのオマージュとして本万博のために特別にデザインされた、エヴァ・ペトリッチによるスタンドランプを展示いたします。 

また、「獺祭 未来を作曲」プロジェクトには、「バレリーナ」シリーズの特定の形状のグラスが選ばれました。「バレリーナ」は、1992年にポール・ヴィーザーがデザインしたエレガントなセットで、「つま先で立つように人生の軽やかさを楽しむ」というコンセプトのもとに生まれました。鉛を含まないクリスタルガラスを用い、細くしなやかなステムと美しいボウルが特徴です。ソムリエとの共同開発により、あらゆる飲み物の味わいを最大限に引き出す設計がなされています。

1718年創業のアウガルテンは、ヨーロッパで最も歴史ある磁器工房のひとつです。 約300年にわたって受け継がれてきた伝統のもと、精巧で高品質な職人技を誇る名門ブランドとして知られています。

本社はウィーンのアウガルテン宮殿内にあり、洗練されたテーブルウェアや装飾品、唯一無二の磁器作品の製造において、豊かな歴史を誇ります。すべてのコレクションは、職人の手によって丁寧に成形・制作され、アウガルテン・ウィーンの象徴である「盾形紋章」が刻まれています。

何世紀にもわたり、アウガルテンは卓越した職人の技と芸術的デザインによって名声を築き、オーストリア文化遺産の象徴とも言える存在となっています。日本でも、その品質と芸術的価値の高さは広く評価されています。

「獺祭 未来を作曲」プロジェクトでは、アウガルテンの華やかなシャンパンンボウルに「獺祭」のロゴをあしらった特別仕様が誕生しました。 このシャンパンボウルは、最高級の磁器でつくられ、輝く金彩が施された優美な逸品です。職人の手で一つひとつ24金で筆塗りされており、通常のグラスよりも長く冷たさを保つことができます。 まさに、シャンパンだけでなく、日本酒の新しい愉しみ方を提案する器です。 

© Lobmeyr Japan
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© DASSAI
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味わう

特別限定版「獺祭 未来を作曲」は、2025年5月22日から10月13日まで、下記にて販売しています。

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目的

 「獺祭 未来を作曲」のプロジェクトは、2025年大阪・関西万博において、オーストリアと日本の強固な経済関係を、両国で注目される具体的な協力プロジェクトを通して紹介することを目的としています。これにより企業の新たな経済活動を後押しし、既存の協力関係をさらに強化し、文化的な結びつきをより強い経済的なパートナーシップに発展させることを目指しています。



最終更新日: : 21.05.2025