2月26日に東京の木材会館、2月27日に京都の京都経済センターにおいてオーストリア森林フォーラムが開催されました。トッチュニッグ大臣はフォーラムの開会挨拶において、オーストリアと日本は自然の生息地や経済的要素としての重要性を持つ森林、伝統的な林業、木材産業に対する深い敬意の念を共有していることに触れ、両国のさらなる協力の継続を強調しました。
フォーラムの基調講演では、オーストリア連邦農林・地方・水資源管理省のマルティン・ネバウアー氏による「未来の産業としての林業および木材産業 – 持続可能な視点から」(東京・京都)、林野庁 森林利用課長 福田 淳氏による「日本の森林・林業政策 - オーストリアからの教え - 」(東京)、フォレストバリュー株式会社 前田茂氏による「日本におけるJ-クレジット制度」が行われ、それぞれの立場からオーストリアと日本の森林管理の最新動向について深い見識が示されました。
基調講演に続き、オーストリア出展企業11 社による、最新の未来志向の林業および森林管理のための革新的な製品やサービス、ソリューションの発表が行われました。
東京でのフォーラムには約100名、京都では約50名の参加者を迎え、企業相談会、休憩や昼食の時間を利用したネットワーキング等と通じ、オーストリア企業の代表者と日本の専門家による意見や経験の交換、ベストプラクティスの共有といった意義ある交流が行われました。
フォーラムで紹介されたプレゼンテーションはオーストリア大使館商務部のホームページで公開されています。ご参考ください。
オーストリア森林フォーラム

左から:城内実 衆議院議員、ノルベルト・トッチュニッグ 大臣、坂本哲志 大臣、エリザベート・ベルタニョーリ 大使、クリスティーナ・シェッサ 商務参事官
今回の滞在において大きな成果となる「持続可能な森林経営及び木材利用に関する覚書」は2月26日に農林水産省において署名されました。ノルベルト・トチュニヒ大臣と坂本哲志大臣の署名を通じ、一層の両国間の交流、協力体制、相互理解が推進され、持続可能な森林管理や木材および木材製品の使用、当分野における教育等の発展が期待されます。
協力覚書(MoC)の主題
a) 持続可能な森林経営及び木材利用に係る双方の政策に関する情報の交換
b) 木造建築はじめ木材の利活用のイノベーションと技術に関する情報の交換(森林資源のマテリアル利用及びエネルギー利用を含む)
c)山地災害の防止と管理に関する情報の交換
d) 研修、教育、研究に関する情報の交換
e) 科学、研修、教育目的のための人的交流の促進
f)その他双方が決定する持続可能な森林経営及び木材利用の促進に関すること
また、トチュニヒ大臣はフォーラム開催地の知事、東京都の小池百合子知事、京都府の西脇隆俊と会談し、意見交換を行っています。